英仏海峡に浮かぶチャネル諸島のジャージー島を原産とするジャージー種と呼ばれる牛の品種のひとつです。

 もともとはフランスのブルトン種とノルマンディー種の交配によって生まれた種ですが、王室用ミルクを作るためにジャージー島で長年にわたって他の品種から隔離されて改良されたため、乳牛の中では最も濃厚な牛乳を出す「ロイヤル」な特徴を持つ独自の品種になりました。

 ジャージー牛は乳用牛の中では最も体格が小さく、とれる乳量もホルスタインの3/4ほどしかありません。また、小さなジャージー島内のジャージー牛も1万頭ほどしかいません。

 産出量の少ない貴重品な上、高タンパクでビタミンやミネラルなど栄養価が高くイギリス王室の御用達であったことから、現在でも高級品のイメージが残っています。


 18世紀頃からは島外へ輸出されるようになり、日本でも1万頭前後が飼育されているそうです。

 乳脂肪が5%前後、無脂固形分が9%以上と高く、濃くてクリーミーな風味の牛乳はそのまま飲むほか、コーンフレークやアイスクリームにかけたり、コーヒーや紅茶のミルクとして、あるいはヨーグルトやアイスクリームに加工され世界中で愛されています。

 またジャージー牛は牛の中でも一番頭が良いといわれ、愛嬌があり、人によくなつくので家族同然にかわいがられ、酪農家の間でも人気が高まっています。

ジャージー牛は、体の脂肪がβ-カロチンによって黄色味がかる特徴があります。 そのため、しぼりたての牛乳も淡い金色をおびた美しい色をしていて、Golden-Milkと呼ばれています。 ジャージー牛そのものも、褐色の毛並みがたいへん美しい牛です。